■開催日時:2017年6月18日(日) 13:30~16:00
■会 場:北海学園大学 豊平キャンパス  2号館1階15教室 (図書館玄関左側)
(札幌市豊平区旭町4丁目1-40、地 下鉄東豊線「学園前」駅にて下車 3番出口直結)

■研究発表(13:30~15:20)

(1)小川 龍之介 (帯広畜産大学 修士1年)
「屠畜・肉分類と肉利用から観るアムド系チベット遊牧民の価値体系―青海省東部の遊牧世帯における家畜の屠殺・解体の事例を通じて―」
 アムド系チベット遊牧民のヤク屠畜方法、枝肉の解体手順、各部位ごとの名称と特徴を把握し、屠畜から肉解体、各肉部位を分類することに より、屠畜や枝肉解体という行為の背景にある価値体系を明らかにすることを目的とした。彼らの価値体系には、肉の利用における価値観(骨 の有無や調理)とおいしさの価値観(食感や肉付き)が基底を成し、そこに対漢民族に対する民族性の強調や仏教思想により文化的なおいしさ の価値観が形成されていることが示唆できた。

(2)若林 和夫 (北海道民族学会会員)
「アイヌ遺骨の返還状況とこれまでの経緯」
 昨年夏に杵臼という地域で裁判所の和解に基づき違法な収集が行われたアイヌ遺骨がコタンの会へと返還され、再埋葬儀礼が執り行われた。 研究史としてこれまでの経緯を説明し現状についてまとめる。

〈休憩〉(14:30~14:50)

(3)高橋 靖以 (北海道大学アイヌ・先住民研究センター)
「アイヌ文化におけるパースペクティヴィズムとアフォーダンス」
 本発表では、アイヌ文化におけるカムイ(神)の概念について、パースペクティヴィズム(視点主義)とアフォーダンスの観点から分析す る。さらに、近現代のアイヌ文化を考察する上で、上記の分析が有効なものであることを例示する。