日 時:2016年11月19日(土)・ 20日(日)
場 所:新 ひだか町博物館 多目的集会場
   (〒056-0024 北海道日高郡新ひだか町静内山手町3丁目1 ?:0146-42-0394)

【1日目 2016年11月19日(土)(13:30~17:00)】

■特別講演(13:30~15:00)

  講 師 斉藤 大朋さん(新ひだか町博物館)
  演 題 『史跡シベチャリ川流域チャシ跡群及びアッペツチャシ跡めぐりのコツ』

 〈休憩〉  (15:00~15:30)

■研究発表(15:30~17:00)

(1)周 菲菲 (南京航空航天大学)
「地域イメージの生成メカニズムの文化的背景について―中国人の北海道観光を中心に―」
 円安などを背景に増え続ける訪日外国人観光者の中で、特に勢いを増しているのは中国人である。その観光実践の特徴を見てみると、地域イメー ジを含めた観光そのものの制作及び共有化といった「翻訳」作業において、自治体や観光業者が生産・提示する地域イメージと中国人観光者が実際 に消費するイメージにおける矛盾とズレが目立っている。本研究は、そのような地域イメージの生成過程における「比較」の要素及び「観光」と 「旅游」についての認識の差異を見つめ、越境的な地域イメージの生成メカニズムの文化的背景を解明してみる。

(2)佐崎 愛 (東北大学文学研究科博士課程前期1年)
「民話における他界観分析―松谷みよ子の事例を通して―」
 現代における日本人の他界観(死後観)を構成する要素はどのようなものがあるだろうか。本発表は、その答えの一つとして、松谷みよ子『現代 民話考』(1985~1996)全十二巻を素材とし、松谷の「現代民話」から他界観を読み取ろうと考え、物語における構成要素分析を行うもの である。特に民話中の「よみがえり」の事例を通し、そこに見られる他界の構成要素(例えば花畑や川のイメージなど)にどのような傾向があるか を物語を通して分析する。

(3)平田 昌弘 (帯広畜産大学)
「非乳利用論考:乳利用には進まなかったリャマ・アルパカ牧畜民と家畜との関係性
     ― ペルー南部のクスコ県ワイリャワイリャ共同体のE牧民世帯の事例から ―」
 アンデス高地のリャマ・アルパカ牧畜で搾乳が行われてこなかった要因を検討することを目的とし、ペルー南部で2016年3月にケチュワ系牧 畜民を対象に参与観察とインタビューとをおこなった。リャマ・アルパカの母子畜管理の特徴は、母子畜は基本的には自由に一緒に過ごさせ、母子 畜を人工的に分離していないことにあった。リャマ・アルパカ牧畜では人工的に母子畜を分離しないことによる母子畜間の関係性維持こそ、搾乳へ と向かわせなかった重要な要因と結論づけられた。

【2日目 2016年11月20日(日)(9:00~12:00)エクスカーション】

  集 合 新ひだか町博物館玄関前

   (晴天時) 博物館~アイヌ民俗資料館~史跡シベチャリ川流域チャシ跡群
   (雨天時) 博物館~地域交流センター(馬の展示)~アイヌ民俗資料館

主催:北海道民族学会
協力:新ひだか町博物館
後援:日胆地区博物館等連絡協議会