■開催日時・会場

   日 時: 11月13日(日)13時~16時45分  
   会 場: 函館市地域交流ま ちづくりセンター 3F研修室
         (函館市末広町4番19号 TEL:0138-22-9700)

■研究会プログラム

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○講演 13:00~13:50

中村和之さん(函館工業高等専門学校 教授)
「13~18世紀の中国史料にみえるアイヌ」

< 休憩 13:50~14:00 >

○研究会 14:00~16:45

(1)14:00~14:30
滝口良さん(北星学園大学 非常勤講師)
「社会主義モンゴルにおける文化的人間の育成:牧民家庭における文化教育とアジテーション活動を中心に」

1950年代、モンゴル人民共和国では社会主義建設が本格化し、地方の遊牧生活は集団化と定住化によって大きく変化しようとしていた。
本発表は、再編の過程にあった地方の遊牧民家庭(ホト・アイル)に対して行われた文化教育活動をとりあげ、「文化的人間」の育成に動員さ れた知識や実践について検討する。

(2)14:30~15:00
片桐保昭さん(北海道大学大学院 文学研究科 専門研究員)
「ブラボー!喝采が生んだ広場:文化人類学から広がるまちづくりの視点」

人と人、モノが予期せぬ関わり合いを経て「文化」に至るのなら、都市空間は文化以前の境界状態を予持する領域ともいえる。この空間は公共 的な機能を明確化できぬゆえに人類学なくして作ることはできない。
本発表ではこの事例として、本年6月12日に小樽文学館美術館多目的広場で行われたサイエンスカフェ「ダンス・文化・ランドスケープ」 (本学会後援)を報告し、まちづくりへ文化人類学 を応用するための視点を提示する。

(3)15:00~15:30
山田敦士さん(北海道大学大学院 文学研究科 専門研究員)
「中国雲南省ワ族の文字使用に関する社会言語学的考察」

中国雲南省に居住するワ族は、伝統的な表記習慣のない集団である。しかし20世紀になり、二種類のローマ字表記法(宣教師式、政府式)お よび漢字がもたらされ、現在、一部に文字使用の実態が生まれている。
本発表では、フィールド調査による新しい知見に基づき、ワ族の文字使用に関わる動態を分析する。
主な論点は次の二点である。
 1)「使用領域」の観点から、文字間に棲み分けと競合の状況がみられること。
 2)文字の選択に関して、実用性(言語学的な価値)を越えた選択がなされていること。

< 休憩 15:30~15:45 >

(4)15:45~16:15
大矢京右さん(市立函館博物館 学芸員)
「市立函館博物館所蔵八雲関連アイヌ資料」 

かつて蝦夷地と呼ばれた北海道には、多くのアイヌが居住するとともに、本州から渡ってきた和人も混住していた。特に北海道南部は中世以降 漸次和人が渡道して生活基盤を固めており、伝統的な生活を営むアイヌの集落は全道的に見て少なかった地域であると言える。従って、道南地 域で収集されたことが判明しているアイヌ資料は全国的にも極めて稀で、その一部が市立函館博物館に収蔵されていることもあまり知られてい ないのが現状である。
本発表では市立函館博物館が所蔵する八雲関連アイヌ資料について、文献調査および聞き取り調査をとおして判明した事実とともに紹介する。

(5)16:15~16:45
西村幹也さん(NPO法人北方アジア文化交流センターしゃがぁ 代表)
「トナカイ乳加工の過去と現在 -トナカイ牧畜の草原化-」

モンゴルのトナカイ飼育民トバ人の乳加工および利用方法が、社会主義時代から現在に至るまでいかなる変化を経てきたかを概観し、トナカイ 利用における草原化の様子を明らかにする。

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≪ミュージアム・トーク、懇親会について≫ (12日開催)

◇ 「ミュージアム・トーク」  (当学会後援)
     講 師  児島恭子氏
     タイトル 「アイヌ文化の謎を探る-文様の神秘と呪術-」

     日 時  11月12日(土)14時~
      場 所  函 館市北方民族資料館 (函館市末広町21-7)
     参加料  300円

 * ミュージアム・トーク終了後、会員の大矢京右さんに函館市北方民族資料館の展示解説をしていただきます。ご参加の方は、会場にその ままお残り下さい。

◇ 「懇親会」

     日 時 11月12日(土)18時~20時
     会 場 蟹喰楽舞(かにくらぶ) 函館市大手町8-8 (函館国際ホテルの向かい)  ?:0138-22-1900
     会 費 5000円

■開催日時・会場

   日 時: 2011年7月10日(日) 15:45~16:15
        【学会設立30周年記念講演会】 16:30~17:30  
   会 場: 北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(通称:W棟)W309教室
    (札幌市北区北10条西7丁目、地下鉄南北線北12条駅下車・徒歩10分)
                   

■総 会 15:45-16:15

 <休憩 16:15-16:30>

■学会設立30周年記念講演会 16:30~17:30

岡田淳子先生(本学会顧問)
「ポトラッチ儀礼の復活と効用」
米国の研究者によって進められ報告されたポトラッチ儀礼は、1884年の禁止令以来社会の表面から姿を消し、1950年を過ぎて復活して いる。1987年から始めたアラスカ南東部の現地調査で、80年ぶりという大がかりなポトラッチ儀礼に招待され出席した。当該文化圏の北 部で盛んな死を完成させる儀礼を中心に、母系の継承、養子の承認、成人の確認、親族の返礼、などが含まれる。富の平均化が図られ、コミュ ニティーのほぼ全員が出席して3日間共食し歌い踊り、結束の強化が目に見えてきた。



 議事録



 

1.2010年度事業報告および決算報告

2010年度事業報告

(1) 研究会・総会の開催(詳細は会誌7号【通信】欄参照)
① 第1回研究会・総会
 2010年 7月 11日(日) 研究会14:00~16:20、総会16:30~17:00 北海道大学
 研究発表4件
 総会:2009年度事業報告・決算報告、2010年度事業計画・予算案など
② 第2回研究会
 2010年 11月13日(土) 13:00~17:20 帯広畜産大学
 基調講演  研究発表4件

(2) 講演会等の開催(詳細は会誌7号【講演会報告】欄参照)
① 2010年 5月30日(日)北海道大学 
    窪田幸子氏(神戸大学大学院国際文化学研究科教授) 講演会 
    (北海道立北方民族博物館との共催)

(3) 会誌第7号の刊行(2011年3月刊行、100ページ)
論文1、研究ノート4、書評・紹介2、現地報告2

(4) シンポジウム等後援
①2010年度第1回日本文化人類学会(北海道地区)研究懇談会 
   「私の遍歴:人類学者への道のり」 (北海道大学: 7月24日)
②2010年度第2回日本文化人類学会(北海道地区)研究懇談会 
   「私の遍歴:人類学との関わり」 (北海道大学:10月30日)
③第25回北方民族文化シンポジウム 
   テーマ:『現代社会と先住民族文化 ― 観光、芸術から考える ②―』 (オホーツク・文化交流センター:10月16日・17日)
④北方研究教育センターフォーラム 
   「言語で巡るシベリアの旅 ― 極寒の地に暮らす人々とことば ―」 (北海道大学:2月5日)
⑤北方研究教育センター講演会
   「ロシアの中の少数言語 ― カムチャッカ先住民のパーソナルヒストリー ―」 (北海道大学:2月18日)

(5) ホームページ更新
月平均2回ほど更新。2009年7月から現在までのアクセス数約1400件(のべ8600件)

(6) 新規入会 6名

2010年度決算報告→承認


2.2011年度事業計画および予算案

役員改選 くわしくはこちらをごらんください
2011年度事業計画(実施済みを含む)

(1) 総会の開催(第1回研究会と同日開催) 

(2) 研究会の開催(2回:7月、11月)
   第2回研究会を11月12日(土)・13日(日) 函館で開催予定

(3) 講演会等の主催/共催/後援
①ハスバートル氏(中国黒竜江省満語研究所教授)講演会 (8月2日:北大)

(4)『北海道民族学』第8号の刊行(11月末日エントリー締切、12月末日原稿締切)

2011年度予算案→承認
「学会賞」の創設について(今年度から実施の方向で検討する)

■開催日時・会場

   日 時:2010年11月13日(土)13:00~17:00頃(予定)
   会 場:帯広畜産大学 講義棟34番教室(講義棟3階)
         〒080-8555 北海道帯広市稲田町西2線11   学内地図
   テーマ:「動植物の資源化と生業」
   

■研究会プログラム

【基調講演】
13:00~14:00:
「ヤクの飼養管理」 本江昭夫氏(帯広畜産大学・教授)
ヤクは、ウシ科ウシ属に分類される偶蹄目の家畜である。家畜ウシの近縁種であり、交雑して雑種を生産することができる。雑種のメスは正常な繁殖能力を持ち、ミルク生産に利用される。雑種のオスは生まれつき生殖能力を持っていない。しかし、極めておとなしい性格と体格の大きさから、荷物の運搬に重宝されている。
平均標高が4500mのチベット高原で生活する遊牧民にとって、ヤクは極めて重要な家畜となっている。畑の耕起などの労役、荷物の運搬、ミルク生産、屠殺して肉や皮の利用、燃料としての乾燥糞の利用など、多方面で利用されている。今回は、ヤクの飼養管理を中心として、ヤクの特性について紹介したい。

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【研究発表】
(1)14:15~14:45
土屋志野さん・本間淳美さん・石井智美さん(酪農学園大学)
「女子大学生の「食事を摂る」ことの現状・意識~食はどこへ向かっているかの一考察」
ヒトにとって「食べる」ということは、生きていくために不可欠である。現在摂っている食事の内容が今後の健康状態に大きな影響を与え、生活習慣病の発症にも関与すると言われている。そうした食は、個人の属性に関わるところが大きい。食べものに関する情報が溢れている今日、女子大学生の食事の現状を、喫食量、食べたものをすべて写メールに撮る、アンケート等の手法で調査し、学際的な見地から検討を行った。

(2)14:45~15:15
越智良太さん・石井智美さん(酪農学園大学)
「モンゴル遊牧民の食の中の家畜」
モンゴルではモンゴル5畜と呼ばれるヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、ラクダが飼われてきた。モンゴル高原で暮らす遊牧民にとって家畜は財産であり、貴重な食糧、資源である。モンゴル遊牧民の家庭に滞在し、家畜の種類別による生きた利用として毛の利用、搾乳した乳の連続的な加工と食利用と、屠殺後の内臓、肉、脂、皮の利用方法を調査した。家畜の恵を活用するために多くの技術が伝承されてきたが、21世紀に入り変化が起きている。

休憩 15:15~15:30

(3)15:30~16:00
中田篤さん(北海道立北方民族博物館)
「トナカイの家畜化・資源化と牧畜について」
ユーラシア大陸北部の各地では、トナカイを家畜化し、重要な資源として活用する牧畜がおこなわれてきた。しかし、自然環境や民族文化、政治・経済的要因によって、その形態には多様な変異がみられる。特に旧社会主義国では、農牧業の集団化とその後の自由化がトナカイ牧畜に多大な影響を与えてきた。本発表では、トナカイの資源化について概観するとともに、特に現代ロシアにおけるトナカイ牧畜について、事例を元に報告する。

(4)16:00~16:30
石井智美さん(酪農学園大学)
「動物資源を用いてきた内陸アジアの食における小麦粉と芋」
内陸アジアは地理的に東西交流の中央に位置し、長い間様々な物資、技術が往来してきた。そうした土地で移動を主体とした遊牧民の食は、家畜資源の利用のウエートが大きいとされてきた。近年、モンゴル遊牧民の食において、小麦粉、芋といった自ら生育に関わることが無い植物性の食材の利用が増えている。内陸アジアの遊牧民の植物性食材の利用について、カザフスタン、キルギスの遊牧民の小麦粉・芋の料理方法を含めて報告する。

休憩 16:30~16:45

16:45~17:15 総合討論 (司会進行:平田昌弘さん<帯広畜産大学>)

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■懇親会 17:30~19:30
会 場:帯広畜産大学 かしわプラザ・コンベンションルーム

■開催日時・会場

   日 時: 2011年7月10日(日) 13:30~15:30
        【学会設立30周年記念講演会】 16:30~17:30  
   会 場: 北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(通称:W棟)W309教室
         (札幌市北区北10条西7丁目、地下鉄南北線北12条駅下車・徒歩10分)

■研究会プログラム 13:30~15:30

(1)13:30-14:00
石原真衣さん(北海道大学大学院 文学研究科 修士課程)
「「土人」から「先住民」へ-現代のアイヌ民族に関する文化人類学的考察」
1982年の国連における先住民に関する作業部会の結成を契機に、国際社会というアクターが表舞台に登場した。以降、アイヌ民族の自己認 識や自己表象は、それ以前とは異なる様相を呈するようになった。現代を生きる「先住民」を理解するために、国際社会が介入する以前の彼ら の自己認識や自己表象を検討し、かつての「滅びゆく民族」や「土人」から今日の「先住民」へと変貌する過程を考察する。アイヌ民族は、 様々な社会背景や時代背景のもとで、様々なアクターの相互影響を受けて「先住民」となった。その実態について解明する。

(2)14:00-14:30
周フィフィさん(北海道大学大学院 文学研究科 博士後期課程)
「北海道の国際観光イメージの生成及び変容のメカニズムに関する文化人類学的研究-「ポスト地震時代」の来道中国人観光者の実態及び受け 入れ対策を中心に-」
3 11東日本大地震後に激減した東アジアから来道する観光者が台湾や香港を中心に回復し始めているが、ただ中国大陸からの観光者は回復の兆しは見えない。根本的な理由は、単 一化されているマスコミの報道にあると思われる。3 11以来、東日本の揺れが日本全土の揺れ、更に日本の売りであった「安全」のイメージの揺れとなっているという歪曲されたイメージが宣伝されている。そういう中、インター ネットで流通する観光経験は、観光地のイメージ再生に大きく寄与する力を持っている。そこで、インターネットを通して国境を越えて共有さ れる観光イメージに着目し、観光における風評被害の実態を文化人類学的立場から迫り、払拭対策を試みる。

(3)14:30-15:00
井上淳生さん(北海道大学大学院 文学研究科 博士後期課程)
「日本社交ダンス界における「競技化」の進展と商慣行」
本報告の課題は、日本の社交ダンス界において進められてきた「競技化」の過程を整理し、そのもとで現在いかなる商慣行が展開されているの かを明らかにすることである。日本にとって社交ダンスとは元来、西洋のものである。本報告を、社交ダンスが明治期に日本に紹介されて以 降、どのような経緯で現在のようなものとして社会に位置付いているのかを、今後、人類学的に考察するきっかけにしたい。

(4)15:00-15:30
西村幹也さん(NPO法人北方アジア文化交流センターしゃがぁ 理事長)
「トナカイ飼育民ツァータンの生活変化 -”金”に翻弄されるタイガ社会-」
2000年ごろより外国人旅行客が増え、“ツァーチンセンター”が作られるなど組織的な観光業への適応を始めたトナカイ飼養民ツァータン は経済的に徐々に豊かになっている。そして、さらに、2009年秋には金鉱山採掘が始まり、特需が生まれるなど、彼らを取り巻く経済状況 は、周囲のモンゴル人たちより恵まれはじめたように観察される。この近年の社会変化によってトナカイの飼育方法や営地選択原理などにどの ような変化が起きているのかを考察してみたいと思う。 

■開催日時・会場

   日時: 2010年7月11日(日)16:30-17:00
   会場: 北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(通称:W棟)W309教室
         (札幌市北区北10条西7丁目、地下鉄南北線北12条駅下車・徒歩10分)



 議事録



 1.2009年度事業報告および決算報告

2009年度事業報告

(1) 研究会・総会の開催(詳細は会誌6号【通信】欄参照)
① 第1回研究会・総会
 2009年 7月 11日(土) 研究会14:00~16:15、総会16:30~17:30 北海道大学
 研究発表4件
 総会:2008年度事業報告・決算報告、2009年度事業計画・予算案など
② 第2回研究会
 2009年 11月 7日(土) 15:20~17:20 
         8日(日)  9:00~12:0 北海道立北方民族博物館
 研究発表7件

(2) 講演会等の開催(詳細は会誌6号【講演会報告】欄参照)
① 2010年 3月 6日(土)北海道大学 沼崎一郎氏講演会・呉人惠氏講演会 (日本文化人類学会北海道地区懇談会との共催)

(3) 会誌第6号の刊行(2010年3月刊行、124ページ)
論文2、研究ノート4、書評・紹介1、資料等1、寄稿1

(4) シンポジウム等後援
① 講演会・コンサート「講演と唄の夕べ:サハリン先住民言語を伝え、残す」(北海道大学:6月2日)
② 国際シンポジウム 「間宮林蔵が見た世界」(函館市:8月30日)(稚内市:9月5日)
③ 第24回北方民族文化シンポジウム(網走市:10月17,18日)


(5) ホームページ更新
月平均2回ほど更新。2009年7月から現在までのアクセス数約1500件(のべ7200件)

(6) 新規入会10名

2009年度決算報告→承認


2.2010年度事業計画および予算案

2010年度事業計画(実施済みを含む)

(1) 総会の開催(第1回研究会と同日開催) 

(2) 研究会の開催(2回:7月、11月)
   第2回研究会を11月13日(土)12:30~17:55 帯広畜産大学(帯広市)で開催予定

(3) 講演会等の主催/共催/後援
①窪田幸子氏講演会 (5月29日網走市:本会後援、5月30日北大:北方民族博物館と共催)
②講演会「私の遍歴:人類学者への道のり」(7月24日北大:本会後援)

(4)『北海道民族学』第7号の刊行(11月末日エントリー締切、12月末日原稿締切)

2010年度予算案→承認