日頃より、北海道民族学会の活動にご支援、ご協力をいただき誠にありがとうございます。2025年度第1回研究会・総会を下記の日時・会場で行うこととなりました。多くの会員の皆様のご参加をお待ちしております。

 

■開催日時:2025年5月31日(土) 13:00~16:50(予定)

 

■主催:北海道民族学会

 

■会場:北海学園大学豊平キャンパス 7号館4階 D40番教室

〒062-8605 札幌市豊平区旭町4丁目1-40

アクセス https://www.hgu.jp/about/toyohira-campus.html#access

キャンパスマップ https://www.hgu.jp/about/toyohira-campus.html#map

 

※本会についてはオンライン方式の併用を検討中です。

 実施する場合には、準備ができ次第参加方法等をお知らせしますので、お待ちください。

 

【プログラム】

■研究会(13:00-)

開会あいさつ   北海道民族学会 平田昌弘会長

 

研究発表

(1)榎本歩美さん・加賀田直子さん(北海道大学大学院文学院文化人類学研究室/博士後期課程)(13:05-13:35)

「カナダ先住民に関する研究倫理の現在―イヌイットとアニシナベの事例から―」

 本発表では、カナダ・ケベック州イヌイットとオンタリオ州アニシナベの研究倫理規定の事例からカナダ先住民の研究倫理の現状を報告する。カナダ各地の先住民コミュニティーでは先住民団体、バンド、大学等の単位で研究倫理規定が策定され、研究協力(関係者)者の人権やプライバシーの遵守、文化的配慮や利益還元が適切になされるか審査が行われる。直近に審査申請を行った発表者の経験から、カナダ先住民社会の倫理的枠組みをめぐる動きを検討する。

 

(2)一色 紗矢香さん(小樽市総合博物館/学芸員)(13:35-14:05)

「小樽市内の市場において漬物が果たす役割」

 手作り漬物がコミュニケーションツールとして機能しうる点に着目し、市場においてどのような役割を果たしているのか、南樽市場および新南樽市場において聞き取り調査を行った。両市場は観光目的の人々だけでなく、小樽市内に居住する人々も立ち寄る、賑わいのある場である。本発表では、市場のもつ人と人を結びつける場の力と、手作り漬物にみられるコミュニケーションツールとしての役割について考察する。

 

3)?塚 咲衣さん(小樽市総合博物館/学芸員、北海学園大学大学院文学研究科/博士後期課程)(14:05-14:35)

「博物館における景観写真のデジタルアーカイブを通じた市民協働の実践」

 小樽市総合博物館では、写真家の兵庫勝人氏が1970年代の小樽の街並みを撮影した写真コレクションを所蔵している。小樽が観光地となる以前の姿を記録した写真のデジタルアーカイブ構築に取り組む中で、写真が街並みの変化を伝えるだけでなく、市民が持っている貴重な記憶の掘り起こしにも寄与していることが確認された。本発表では、景観写真を活用した市民協働の実践事例を紹介し、それが地域住民の記憶と語りにもたらす効果について考察する。

 

〈休憩〉(14:35-14:45)

 

(4)福島令佳さん(北海道大学大学院文学研究院文化人類学研究室/専門研究員)(14:45-15:15)

「子どもの感覚からみえる世界―十勝と児童詩誌「サイロ」の民族誌」

 NPO法人小田豊四郎記念基金サイロの会が、毎月一回発行する児童詩誌「サイロ」。十勝管内の小中学生の詩が、65年以上に渡って綴られている。本研究では、動植物、農機具、はたらく手等を題材とした、子どもたちの詩という感覚的表象を通じて、十勝に根差したケアや命の営みを描き出す。

 

(5)三枝大悟さん(斜里町立知床博物館/学芸員)(15:15-15:45)

「斜里町の社日碑と信仰」

 斜里町では各地に社日碑(農業者が豊作を願い土地の神を祀った碑。「地神塔」等ともいう)が所在しているが、郷土史(誌)での記載を除き、調査や分析はほとんど行われてこなかった。2023年度から2024年度にかけて、碑を悉皆調査し、数か所の祭りを取材したところ、20基を超える碑のうち、多くが現在も信仰されている様子や、周辺地域と比較しての碑文の傾向が見えてきた。碑文・祭りの様子・氏子の規模等、町内における信仰の諸相を報告する。

 

(6)樋口凛太郎さん(北海道大学大学院文学院/博士後期課程)(15:45-16:15)

「名取武光『北海道噴火湾アイヌの捕鯨』に採録された経験談の実証」

 本報告では、名取武光が1940(昭和15)年に発表した『北海道噴火湾アイヌの捕鯨』に採録された捕鯨の経験談が歴史的事実であることを実証する。長万部村のアイヌ古老によって30年前・50年前・60年前と語られた捕鯨の事例は、これまで正確な実施年月日が不明であった。これらの経験談を裏づける可能性がある新聞記事・公文書・私文書を紹介し、内容の照合を行う。照合を通して明らかとなる捕鯨の実施年月日と実態について報告する。 

※上記の時刻は目安です。

・発表時間は30分(発表20分、質疑10分)とし、進行状況に応じて適宜休憩を入れることとします。

・研究発表で画像・動画・音声等を使用する際、著作権、肖像権等については発表者の責任で対処してください。(著作権、肖像権等について問題が生じる可能性があると判断した場合は、事前に事務局にご相談ください。)

 

〈休憩〉(16:15-16:20)

 

■総会・学会賞表彰式(16:20~16:50)

・総会:2024年度決算報告、2025年度予算案 ほか

・学会賞受賞者発表・表彰式

 

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北海道民族学会事務局(中田)

〒093-0042 網走市字潮見309-1

北海道立北方民族博物館 気付