日頃より、北海道民族学会の活動にご支援、ご協力をいただき誠にありがとうございます。

2023年度 第2回研究会を下記の日時・会場・プログラムで行います。

多くの会員の皆様のご参加をお待ちしております。←終了しました。

□開催日時:2023年10月7日(土)13:00~17:30 研究会
         10月8日(日)9:00~(午前中) エクスカーション

□主催:北海道民族学会・名寄市立大学(予定)

□会場:名寄市立大学 図書館1階 ラーニングコモンズ(プレゼンテーションスペース)
        〒096-8641 名寄市西4条北8丁目1
アクセス:https://www.nayoro.ac.jp/website/index.html
・JR名寄駅から大学キャンパスまで
路線バス利用の場合
 西まわりバス バス停:【名寄駅前】 → 【名寄市立大学前】
 所要時間:約10分   運賃:大人150円・小人80円

*自家用車での来場可(無料駐車場あり)

**図書館棟の1階(B&G横の南側玄関)から入り、左手図書館入口の自動ドアより会場にお越しください。

 

【プログラム】
[10月7日(土)]
□研究会(13:00~17:30)
■開会あいさつ(13:00~)
 北海道民族学会 平田昌弘 会長

■特別講演(13:10~14:10)
「名寄・ナイブチ給与地について」   講師:鈴木邦輝さん(名寄市史編さん室)

■研究発表(14:20~17:10)
(1)落合いずみさん(帯広畜産大学/准教授)(14:20-14:50)
「アイヌ語地名「十勝」の由来」
アイヌ語地名「十勝」(tokapci)の語源についてはtokap「乳」に由来するなど諸説あるが、有力な説は未だ提案されていない。本発表は地名tokapciはto「沼」、ka「上」、peci「川」に分けられ、「沼のほとりの川」という意味であったと考える。「川」を表す形式は近代アイヌ語においてpetであるが、地名to-ka-peciではpeciという形式である。これは落合(2021)がアイヌ祖語における「川」の形式を*peti(のちにpeciと口蓋化する)と再建したことに拠る。また地名to-ka-peciにおいて、peci「川」の第一音節母音eが脱落するという変化が起き、to-ka-pciになった。

(2)元広修爾さん(北海道大学大学院文学院博士後期課程)(14:50-15:20)
「環境講座のエスノグラフィー~公・民講座の比較から自治体のロジックモデルを改善する試み~」
自治体やNPOは、身近な学びの場として市民のための環境講座を提供している。発表者は、2017年から2022年まで、自治体職員として行政の講座に携わりながら、研究者としてNPOの講座に参与した。本報告では、人類学のミクロな視点から両講座のひと−ものの関係を読み解き、特性比較を行う。行政の講座は、ロジックモデルにより市民の環境配慮行動の持続と社会的波及を企図する。成功例にはNPOの講座における関係性との類似、失敗例には差異が見られる。類似と差異に着目してロジックモデルの改善提案を試みたい。

(3)シン ウォンジさん(国立アイヌ民族博物館/アソシエイトフェロー)(15:20-15:50)「17世紀蝦夷地に漂着した朝鮮人関連記録の成立―松前藩の記録を中心に―」
1696年礼文島に8人の朝鮮人が漂着した。彼らは宗谷に渡り、南下の途中に和人と出会い、松前藩や幕府により松前、江戸、対馬等を経由して翌年送還された。本件に関する松前藩の記録として『漂流朝鮮人李先達呈辞』や『福山秘府』、『松前家記』が伝わっており、これらは現存しない『朝鮮人漂着部』を基に各々目的に合わせ抜粋した記録である可能性がある。本発表では、松前藩の各記録の位置づけを行い、『朝鮮人漂着部』の内容を推定する。

〈休憩〉(15:50-16:10)

(4)日下稜さん(北海道大学低温科学研究所/学術研究員)(16:10-16:40)
「「1972-1973年、野外民族博物館リトルワールド、「グリーンランド・エスキモーの民族誌的資料収集と調査」の背景と意義」
1972年、野外民族博物館リトルワールドの開館を前に大島育雄が「グリーンランド・エスキモーの民族誌的資料収集と調査」を目的としてグリーンランド、シオラパルクへ派遣された。一部の資料は現在も展示されているが、その他、収集の際に大島が書き残した未発表の資料や書簡、写真等が、リトルワールドおよび本人の下に残されていることが分かった。これらの資料と本人への聞き取りを基に収集の背景を探り、コレクションの意義を考察する。

(5)長尾優花さん(北北海道大学大学院文学院アイヌ・先住民学研究室/修士課程)(16:40-17:10)
「アイヌ神謡における折節と本文の音楽的関係」
アイヌ神謡の多くには、折節と呼ばれる句(折り返し句とも呼ばれる。アイヌ語ではサケヘ、サハという。)が挿入される。折節に関する音楽的研究では、折節は本文の旋律を規定し、神謡全体の旋律を規定しうるという重要な役割をもつとされてきた。本発表では、先行研究をふまえ、折節のもつ拍数と音節数によって本文の旋律がどのように規定されるか、またはされないのか、折節と本文の音楽的な関わりについて検討していく。 

※上記の時刻は目安です。
※発表時間は30分(発表20分、質疑10分)程度とし、進行状況に応じて適宜休憩を入れます。

[10月8日(日)]
■エクスカーション(9:00~):名寄市北国博物館(予定) 観覧料220円
【申し込み】 エクスカーションへの参加をご希望の方は、事前に事務局にお申し込みください。

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北海道民族学会事務局(中田)
〒093-0042 網走市字潮見309-1
北海道立北方民族博物館 気付
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