2014年7月

研究会・総会を終えて

会長 岩崎まさみ

 会員の皆さんのご協力を得て、2014年度第1回研究会、及び総会を終えることが出来ました。心からの感謝を申し上げます。今回の研究会では初登場の会員の方々も含め、4名の方々からの研究報告があり、沼田町のかっぱに関するうわさの研究から環北太平洋のニシン漁、さらには明治・大正期のアイヌ研究者に関する研究など、興味深いテーマに質疑応答にも熱が入りました。このように分野にとらわれずに、多岐にわたるテーマを取り上げて研究報告ができる場を提供するという事は、北海道民族学会が地域の学会として果たす重要な役割であると考えています。今回の研究会では、その事を強く感じる事が出来たのではないでしょうか。同時に、これらの研究報告を通して、北海道のダイナミックな地域的特徴から、様々な研究テーマが生まれてきている状況を垣間見ることが出来たと思います。
 総会では通常の決算報告と予算案の審議に加え、これまでの会誌をアーカイブ化し、学会ホームページ上で公開する事を決定しました。今後は、これまで北海道民族学会を支えてきた多くの研究者の研究の足跡を、ホームページで読むことが出来るようになります。また、総会の最後には学会賞授賞式が行われました。第1回の昨年度に続き、本年度も学会賞(奨励賞)の受賞者が決定したことは喜ばしいことです。すでにホームページ等でご存知の通り、本年度の学会賞は北方民族博物館の山田祥子さんに授与され、若手の女性研究者の活躍を会員の皆さんと一緒に祝いました。今後、学会賞の記録に、さらに多くの若手研究者の名前を連ねて行ける事を祈っています。
 第2回研究会は帯広百年記念館を会場に開催される予定です。ぜひ一人でも多くの方々にお集まり頂きたくお願い致します。

2013年7月

就任にあたって

会長 岩崎まさみ

 北海道民族学会創立から30年が過ぎ、学会として成熟期に入ろうとする重要な時期に7代目の会長を務めさせていただくことを光栄に感じると同時に、その責任の重さを実感しています。私事ですが、アメリカ・カナダで大学・大学院を過ごして1994年に帰国し、「師を持たない孤独」を感じていたときに、仲間として暖かく受け入れてくれたのが北海道民族学会でした。それ以来、この学会をホームグラウンドとして、研究発表や意見交換、その後の懇親会などで、会員の皆さんに指導を受けてきました。
 北海道民族学会は「民族学」という「大きなくくり」である特徴を活かして、言語や人類学、歴史、さらには栄養学などの幅広い分野の研究者の意見交換の場となっています。また北海道という土地柄を反映した研究課題も多く扱われ、他の学会には見られない独自性を誇る学会です。会長就任にあたり、北海道民族学会がますます多くの研究者、とりわけ若い研究者の皆さんの意見交換の場となり、将来にわたって北海道における民族学研究の拠点となるように、会員の皆様と一緒に努力していきたいと考えています。