2012年7月

研究会は学会の原点

会長 津曲敏郎

 7月に行われた本年度1回目の研究会には7件の発表申し込みがあり、急な事情で取りやめとなった1件を除く6件の研究発表がありました。多岐にわたる分野からの発表が寄せられ、熱心な質疑が交わされたことは学会として大変喜ばしいことです。
 しかしながら、今回の発表者全員が北大の大学院生で占められたことは、いささか気になるところです。本会会員の少なからぬ部分を構成していることは事実ですが、広く道内各地に(一部は道外にも)会員を持つ当会としては、広く各研究機関や一般の方も含めて積極的なエントリーを期待したいものです。
 また、近年、どの学会でも院生をはじめ若手の研究者の発表が中心となる傾向があるようです。若手の登竜門ないし業績蓄積に寄与することももちろん学会の重要な役目ですが、中堅あるいは指導者的立場にある方から話を聞く機会を提供することもまた重要です。そのような意味で、各層からのバランスのとれた研究発表の場となるよう、会員の皆様の一層のご協力をお願いします。ちなみに発表者だけでなく、参加者の顔ぶれも「常連」が目立つのは、熱心さの現れでもありますが、90名に及ぶ会員の中にはご無沙汰続きの方も少なくありません。学会活動の原点としての研究会に、ぜひ足をお運びくださいますよう、お願い申し上げます。
 研究会と同日に行われた総会では、昨年以来検討を重ねてきた「学会賞」の規定が承認され、今年度から適用されることとなりました。来年度の総会では初の受賞者が出るよう、会員の皆様からの積極的な自薦・他薦をお待ちしています。