2005年7月
北海道民族学会の新たな出発に向けて
会長 津曲 敏郎
このたび北海道民族学会の第6代会長を務めさせていただくことになりました。これまで歴代会長のご指導と統括のもと、研究会でさまざまな分野の方の話を聞かせていただいたり、運営委員として多少は運営にもかかわってまいりました。いつも、どこかで先輩の諸先生が見守っていてくださるという安心感とサロン的な居心地の良さがこの学会にはありました。こうした会員間の「人の和」こそ、諸先輩が築いてくださった本学会の大きな財産だと思います。
しかしながら初代会長の岡田宏明先生に続いて、私が事務局を担当した当時の会長であった和田完先生も亡くなられ、創設当時の世代からバトンを引き継がなければならないときが来ていることもまた、自覚せざるを得ません。幸い、前会長の岡田淳子先生のご尽力で、日本文化人類学会北海道地区との関係もより明確なかたちに修正され、また懸案の「会報」も創刊されました。あとを引き継ぎ、より良いかたちで発展させることが第二世代の使命と心得ています。
このような転換期を迎えた今、まずは会員の増加をはかり、安定した会費収入による円滑な会の運営のもと、魅力ある活発な研究活動を展開したいと考えております。具体的な方策の一つとして、先の総会では地区担当の運営委員を置くことを提案し、ご承認いただきました。今後は札幌圏にかたよらない広範な活動をめざしてまいります。全道(できれば全国)にひろがる会員相互のネットワークとして、ホームページの立ち上げと活用も急ぎたいと思います。創刊された会報をより魅力あるかたちに整え、広く認知してもらうことも重要な課題です。どれも私一人の手には余る仕事ですが、会員の皆様のご意見をもとに運営委員会で検討しながら、実現をめざし、会の発展に向けて微力を尽くしたいと思います。
皆様のご協力をお願い申し上げます。