【2019年度 北海道民族学会第1回研究会のご案内】→ 終了しました

日頃より、北海道民族学会の活動にご支援、ご協力をいただき誠にありがとうございます。

2019年度 第1回研究会・総会を下記の日時・会場・プログラムで行います。

多くの会員の皆様のご参加をお待ちしております。

■日時:2019年6月16日(日) 13:30~17:30

■会場:北海学園大学 豊平キャンパス 7号館5階D50番教室

    (札幌市豊平区旭町4丁目1-40)

・地下鉄東豊線「学園前」駅にて下車 3番出口直結

https://www.hgu.jp/about/toyohira-campus.html

[プログラム]

■研究会(13:30-16:10)

(1)中村和之さん(函館工業高等専門学校)(13:30-14:00)

「阿里海牙のアムール河下流域での駐屯とそれをめぐる試論」

 『元史』によれば、1284年にアムール河下流域からサハリン島に渡ろうとしていた元軍の三人の将軍の一人に、阿里海牙(アリハイヤ)がいる。『元史』には、阿里海牙の列伝が二つあるが、二人ともウイグル人である。もしこの阿里海牙もウイグル人で間違いなければ、トルコ系のウイグル人が率いる軍団が、アムール河下流域に駐屯していたことになる。それがアムール河下流域やサハリン島の諸集団にどのような影響を及ぼしたのか、検討してみたい。

(2)呉人 花さん(京都大学大学院 人間・環境学研究科修士課程)(14:00-14:30)

「乳買い、牛売る牧畜民―内モンゴルにおける牧畜の変容と再編―」

 家畜の乳・肉利用はモンゴル牧畜文化の根幹を形成してきた。ところが、内モンゴルの牧畜地域では国家政策・市場経済の影響により家畜の自給利用の低下と多様化が進んでいる。本発表では、現地調査で見聞した事例に基づき、家畜を自給的に利用せずとも、漢族経営の乳業メーカーなどの外部からの補完的供給により、儀礼や食における乳・肉の伝統的な位置づけを再編・維持しようとするモンゴル族牧畜民独自のロジックを考察する。

(3)呉 松旆さん(関西学院大学大学院 社会学研究科博士後期課程)(14:30-15:00)

「アイヌの自己表象に関する文化人類学的考察:札幌のアイヌ刺繍教室を事例に」

 本発表では、札幌のアイヌ刺繍教室を事例として、現代の生活様式が浸透した今日、時空間的同時性を持つ主体としてのアイヌによる「伝統」文化の生成と自己表象について考察する。特にアイヌの講師が自らアイヌを代表し、和人の生徒に向けてどのようにアイヌを表象するのか、また和人の生徒がどのように講師によるアイヌ表象を語り返すのかといった、他者の動きとアイヌの自己表象の形成との交互関係について分析することを試みる。

〈休憩〉(15:00~15:10)

(4)番匠美玖さん(北海道大学大学院 文学研究科修士課程)(15:10-15:40)

「『オイヌ様』は何故絶滅しなかったのか—狼信仰の実態調査を通じての一考察」

 関東圏を中心に、現在でもニホンオオカミを祀る狼信仰が各地で見られる。しかし、狼信仰のモデルとなったニホンオオカミは絶滅したのに、何故狼信仰は存続しているのか。この問いを、本研究では東京都・武蔵御嶽神社の狼信仰を通じて明らかにしていく。また、人と動物の関係という視点から狼信仰を見直すという点で、本研究は今までの狼信仰研究ではあまり取り上げられなかった、日本人とニホンオオカミの人獣交渉史の研究であると位置づけられる。

(5)蟬塚咲衣さん(北海学園大学人文学部日本文化学科4年)・佐々木理子さん(北海学園大学法学部法律学科4年)・稲垣森太さん(奥尻町)・手塚薫さん(北海学園大学人文学部)(15:40-16:10)

「奥尻島・青苗地区における例祭の存続と変容」

 奥尻島は、北海道南西沖地震によって甚大な被害を受けた。震災から26年が経過した現在も「青苗言代主神社例祭」は継続されている一方で、少子高齢化や人口減少などの社会の変化に対応せざるを得ない状況に直面している。

 本研究では、GISを用いた神輿や山車の巡行ルートの可視化と聞き取りを通じて、例祭がどのように変容し、継続されているのか明らかにする。また、人々の例祭への思いや、例祭が地区でどのような役割を担っているのかについても検討する。

※上記の時刻は目安です。

※発表時間は30分(発表20分、質疑10分)とし、進行状況に応じて適宜休憩を入れることとします。

■総会・学会賞表彰式(16:30~17:30)

総会:2018年度決算報告、2019年度予算案 ほか

学会賞受賞者発表・表彰式

□懇親会(18:00~) 会場:未定

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〒093-0042 網走市字潮見309-1

北海道立北方民族博物館 気付

北海道民族学会事務局

中田 篤

E-mail: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。

学会HP: http://hes.official.jp/index.php

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2019年度第1回研究会・総会を下記の日時・会場で行うこととなりました。
つきましては、当日の研究発表を募集いたします。会員の皆様方の積極的なご参加・ご発表をお待ちしております。

■開催日時:2019年6月16日(日) 13:30~16:30(予定)
■会場:北海学園大学・豊平キャンパス(教室未定)
(〒062-8605 札幌市豊平区旭町4丁目1-40)
・地下鉄東豊線「学園前」駅下車、3番出口直結
https://www.hgu.jp/about/toyohira-campus.html

■研究発表の募集
研究発表ご希望の方は、発表題目と要旨(200字程度)を添えて、学会事務局(下記)までE-mail<このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。>、郵便のいずれかでご連絡願います。郵便の場合は必ず表面に「北海道民族学会事務局」(中田篤宛)を明記してください。

〈締切:2019年5月31日(金)17:00〉

・発表時間は質疑応答を含め、一人30分程度が目安です(発表者数により増減することがあります)。

・発表希望者が多数の場合は事務局で検討し、人数を調整することがあります。その際、初めて発表される方、前回・前々回発表されていない方を優先することがありますので、ご了承願います。

*発表を希望する方は、2019年度の学会費(3000円)を納入していることが条件となります。
会費の納入につきまして、詳細は学会ホームページ(http://hes.official.jp/index.php)より「会費」にお進みください。

発表者決定後、研究発表の順番・時間を正式に決定し、後日改めてお知らせいたします。

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北海道民族学会事務局(中田)
〒093-0042 網走市字潮見309-1
北海道立北方民族博物館 気付

学会員の皆様

 

「一般社団法人Jミルク 乳の学術連合」から、学術研究公募の案内が届きましたので、みなさんにお知らせさせていただきます。

 ①「牛乳乳製品健康科学」学術研究 
   助成金額 150万円以内/1年 
   採択件数 10件程度 

 ②「乳の社会文化」学術研究 
   助成金額 70~100万円以内/1年 
   採択件数 8件程度 

 ③「食と教育」学術研究 
   助成金額 70~100万円以内/1年 
   採択件数 8件程度 

 応募締切:12月31日(学内〆12月21日) 
 委託研究機関:1年を越えないものとする。詳細はWebからダウンロードする
 詳細は下記ホームページまで  http://m-alliance.j-milk.jp/index.htm

 応募資格は、研究機関等で学術研究を行っている研究者等(大学院生を含む)だけでなく、特定の機関等に属さない個人研究者も対象となっています。これまでの経緯から、申請書がしっかりと書かれたものでしたら、採択される可能性が高い公募と思われます。

 乳に関した調査研究を予定されていおられましたら、ぜひ応募下さい。

 

帯広畜産大学

平田 昌弘

 

【2018年度 北海道民族学会第2回研究会のご案内】→ 終了しました

 日頃より、北海道民族学会の活動にご支援、ご協力をいただき誠にありがとうございます。2018年度 第2回研究会を下記の日時・会場・プログラムで行います。

 多くの皆様のご参加をお待ちしております。

■主催:北海道民族学会   共催:北海道博物館

■開催日:2018年11月24日(土)

■会場:北海道博物館 講堂(中地下階)

(〒004-0006 札幌市厚別区厚別町小野幌53-2  電話:011-898-0466)

   ※アクセス:次のページをご参照ください。http://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/guide/access/

【プログラム】

■総合展示室ほか観覧(11:15~)(所要時間約50分)

案内・解説:甲地利恵さん(北海道博物館アイヌ文化研究グループ・研究主幹)

 研究会参加者を対象に、北海道博物館の案内付き展示観覧をおこないます。

 観覧ご希望の方は、11:10までに研究会会場(講堂)の学会受付に集合し、観覧料をお支払いください。団体割引で一般500円・大学生200円(学生証を提示)です。ただし65歳以上の方は、年齢を確認できるものをご提示いただければ無料です。

※昼食について

・北海道博物館には、コーヒーやドーナツを販売するカフェはありますが、食堂はありません。最寄りのコンビニまで徒歩で片道約25分、近隣施設の「開拓の村」食堂まで徒歩で片道約15分かかります。

・昼食を持参した場合、食事は研究会会場(中地下階の講堂)や中2階のラウンジを利用してください。

■研究会(13:10~16:30)

○特別講演(13:15~14: 15)

「サハリンのニヴフはなぜベリー類を多用するのか? 植物相・植生から見た自然資源の利用」

 講師:水島未記さん(北海道博物館自然研究グループ・学芸主幹)

 一般に植物は哺乳類や魚類などと比べて種数が圧倒的に多く、地域による種構成の違いも大きくなる。そのため、植物資源利用に関わる文化を構成する諸要素は、動物資源と比較して地域や環境の違いによる影響をより大きく受けることが予想できる。講師はサハリンの北部に通ってニヴフ民族の植物利用文化について調査し、90種以上の植物の利用を確認した。北海道と似ているようで全く異なるサハリン北部で、ニヴフがどんな植物をどう利用してきたか、その特徴や、それがこの地域の自然環境のどのような要素からどのような影響を受けているのか、などについて報告する。

○研究発表(14:20~16:30)

(1)包海岩(バオ・ハイヤン)さん(内モンゴル科技大学・講師)(14:20-14:50)

「畜糞文化の商品開発に関する報告―内モンゴル自治区の事例を中心に」

 本研究では、内モンゴル牧畜の畜糞文化を解明するために、畜糞の名称体系とその利用体系について調査をおこなった。畜糞名称は40個、畜糞利用は48件にも及び、畜糞文化が内モンゴル牧畜の生業を根底から支えてきた重要な文化項目であることが明らかとなった。更に、これらの畜糞文化を踏まえた上で、畜糞香や畜糞石鹸の商品開発、製造、販売を実施したので報告する。

(2)佐々木理子さん(北海学園大学法学部3年)・蟬塚咲衣さん(北海学園大学人文学部3年)・稲垣森太さん(奥尻町・学芸員)・手塚薫さん(北海学園大学人文学部・教授)(14:50-15:20)

「「記憶地図」による情報の可視化」

 奥尻島では1993年に発生した北海道南西沖地震から25年が経過した。震災直後の被災地では円滑な復興支援を目的とした取り組みや調査が活発に行われる一方で、震災から復興し時間が経過した地域では、防災意識を含めた過去の記憶の風化が懸念される。

 被災地の復興支援として実践されている記憶地図を用いて、住民が持つ地域の文化や過去の災害に関する聞き取り調査を、今年8月に奥尻島谷地地区においてワークショップ形式で実施した。本研究では、その実践例を報告するとともに、記憶を呼び覚まし、視覚的に表現できる可能性と課題を考察する。

〈休憩〉(15:20~15:30)

(3)田中佑実さん(北海道大学大学院文学研究科博士後期課程)(15:30-16:00)

「フィンランドのカルシッコに見る「風習/伝統」の変遷」

 フィンランド東部から中部には、樹木に死者のイニシャルと生没年、十字架を刻む「風習/伝統」がある。そのような樹木はカルシッコと呼ばれ、生者と死者を分けると同時に結ぶ役割を持っていると考えらえていた。現在、カルシッコは終わった、または終わりつつある「風習/伝統」だとみなされているが、未だその「風習/伝統」を続ける人々はカルシッコを、そしてこの「風習/伝統」をどのように見ているのだろうか。本発表はフィールドワークでの情報をもとに、カルシッコを巡る「風習/伝統」の変遷について考察していく。

(4)山本晶絵さん(北海道大学大学院文学研究科修士課程)(16:00-16:30)

「近世蝦夷地におけるアイヌとシマフクロウの関係―『三国通覧図説』にみる「鷲嶋鴞ノ類ヲ養テ箭羽ヲ取也」の再検討を通して―」

 シマフクロウはアイヌにとって重要なカムイである。かつては北海道各地で飼育個体を対象とした送り儀礼が行われていたが、その成立背景には不明な点が多く残る。本研究では、近世蝦夷地におけるシマフクロウの認識、価値、利用の実態について明らかにする。具体的には、江戸時代の地誌・紀行文等を対象とした文献調査を行い、特にワシ類との比較という観点から、当時のアイヌとシマフクロウの関係について再検討することを試みる。

■閉会(16:30)

※お帰りには「北海道博物館」前16:47発のバス(「森林公園駅」16:52着、「新札幌」17:05着)をご利用いただけます。

■懇親会(17:30~) 会場:新札幌駅付近を予定(詳細は当日ご案内します)

北海道民族学会のみさなんへ

 

この度、運営委員会で議論を重ね、北海道民族学会の投稿規定と執筆要領を2018年8月31日づけで改定いたしました。

 投稿論文は他誌に投稿していない論文であること、論文と研究ノートとの区別、著作権のことについて新たに言及し、原稿提出先のメールアドレス、引用文献の一部書式が変更されています。
 特に、これまでに投稿された論文では、引用文献の書式が執筆要領に従っていない論文が目立ちます。
 近く、論文の公募が始まりますが、会員におかれましては、今一度、ご確認願います。
投稿規定
http://hes.official.jp/index.php/info10/ac01 
執筆要項
http://hes.official.jp/index.php/info10/ac02 

引き続き、興味深い論文の投稿をお待ちしております。

北海道民族学会
会長

平田 昌弘