2019年度学会賞について、次のとおり決定しましたのでお知らせします。

 

○特別賞

山田敦士氏

受賞理由:「中国雲南省のワ語を中心とするタイ文化圏の言語と民族文化の一連の調査研究」において、表記習慣をもっていなかったワ族の表記法導入にともなう正書法の問題性をフィールド言語学により指摘し、ワ語諸方言に対して汎用性のある転写法の確立を優先すべきことを提起し、更には継続的な碑文テキスト研究、テキスト研究を通じた歴史動態の解明にも尽力してきたことが高く評価されるため。

 

○奨励賞

石原真衣氏

受賞理由:「現代アイヌ民族の文化人類学的研究とオートエスノグラフィー論」において、自己をアイヌとも和人とも位置付けられない人々の実態の一部をサイレント・アイヌとして位置づけ、その実態を文化人類学的に描き出し、更にサイレント・アイヌを照らし出すための方法論としてオートエスノグラフィー論の刷新を試みた一連の研究が高く評価され、その独創性の今後の発展が期待されるため。

 

加藤絢子氏

受賞理由:「日本帝国統治下の樺太先住民の法待遇」において、国籍と戸籍が実際の判例や法政策といかに結びついていたのかという関係性に焦点を当て、樺太先住民の法的地位の変遷を分析し、近代法がいかに樺太先住民社会に影響してきたかを明らかにした学術研究が高く評価され、今後の更なる研究の発展も期待されるため。

 授賞式については、2020年秋に開催予定の第2回研究会にて実施する予定です。

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