日頃より、北海道民族学会の活動にご支援、ご協力をいただき誠にありがとうございます。2021年度 第2回研究会・総会を下記の日時・会場・プログラムで行います。←終了しました。
多くの会員の皆様のご参加をお待ちしております。
■日時:2021年11月13日(土)13:30~17:00
11月14日(日)午前中(エクスカーション)
■主催:北海道民族学会、浦幌町教育委員会
■会場:浦幌町立博物館 視聴覚ホールほか(〒089-5614 十勝郡浦幌町字桜町16-1 Tel. 015-576-2009)
【プログラム】
[11月13日(土)]
■展示観覧(11:00~ ):浦幌町立博物館(予定) ※観覧は無料です。
■研究会(13:30~16:30)
開会あいさつ 北海道民族学会 平田 昌弘 会長 浦幌町教育委員会 水野 豊昭 教育長
特別講演(13:30~14:30)
講師:持田 誠 さん(浦幌町立博物館 学芸員)
演題:「浦幌の地理・歴史・博物館の役割」
研究報告(14:40~16:10)
(1)平田昌弘さん(帯広畜産大学/教授)(14:40~15:10)
「乳文化の体系的地域間比較―チベット・ヒマラヤ地域を事例とした文化の伝播・変遷論考―」
本発表の目的は、1)チベット高原におけるチベット牧畜民の乳加工体系の地域多様性を把握し、2)チベット牧畜民の乳加工体系を周辺地域と比較検討することにより、チベット高原の乳加工体系に影響を与えた民族集団の地域を同定し、更に、3)チベット高原での乳加工体系の変遷過程について検討を行うことにある。乳文化を周辺域と比較検討した結果、チベット高原は、南方域の乳文化を土台としながらも北方域の乳文化の影響も受けており、乳文化が重層している地帯であるといえる。
(2)大江克己さん・北嶋由紀さん・八幡巴絵さん・中井貴規さん・古田嶋智子さん(国立アイヌ民族博物館)(15:10~15:40)
「平面形のアイヌ民族資料を対象としたX線CT装置による構造調査の有効性―樹皮衣・木綿衣・ござを中心として―」
X線CT装置(以下、CT)は立体資料の非破壊調査に効果を発揮してきた一方で、平面形資料の調査例は少ない実情がある。アイヌ民族資料には平面形資料も多く、今後の効果的な調査法としてCTによる構造調査の有効性を検証した。樹皮衣は模様の布内面の袋状処理や刺繍糸の運針の様子、木綿衣は後補とみられる布下部の当初の刺繍が確認できた。ござは取得画像上で平面展開し端部構造の把握が可能であった。本調査から、CTは平面形資料でも有効な調査法と言える結果を得た。
(3)中田篤さん(北海道立北方民族博物館/主任学芸員)(15:40~16:10)
「サハ共和国における家畜飼育の変遷―ソ連崩壊から現在まで」
ロシア連邦サハ共和国では、おもに主要民族であるサハによってウマ・ウシ牧畜が、エベンキ、エベン、チュクチなどの先住民によってトナカイ牧畜が伝統的生業として行われてきた。これらの牧畜は、社会主義政策による生業活動の集団化、ソ連崩壊後の市場経済化などの影響を受けながら、現在も存続している。本報告では、サハ共和国の統計資料から、おもにソ連崩壊後の家畜頭数の推移を概観し、その動態と変動要因について検討する。
(4)サリントヤさん(北海道大学文学院/博士後期課程)(16:10~16:40)
「モンゴル牧畜社会における人間と動物のコミュニケーションに関する人類学的な研究」
モンゴル牧畜社会には、家畜に依存して生活する牧畜民たちが数多くいる。遊牧民にとって、家畜は人びとに食糧を提供してくれるだけではなく、誕生や成人、結婚などの人生の重要な節目に贈与・交換、聖なるオボーの祭事や病気などの不幸に対処するために供犠されるなど社会的・宗教的にも大切な役割を担う存在である。しかし、従来のモンゴル牧畜研究は、人間が家畜を資源としてどのように利用しているのかに焦点をあてたものが多く、人間が家畜との間にいかなる関係を築いているのかを記述・分析する具体的な研究は少ない。本研究では動物に歌を歌うことや独特な言葉を使って家畜とコミュニケーションを捉えている事例を紹介し、異種間の交流が成立しているかを考察し、分析する。
※上記の時刻は目安です。
※発表時間は30分(発表20分、質疑10分)とし、進行状況に応じて適宜休憩を入れることとします。
[11月14日(日)]
■エクスカーション(9:00~11:40):オタフンベチャシ跡ほか
【申し込み】
エクスカーションへの参加をご希望の方は、事前に事務局にお申し込みください。
また、エクスカーションでは、自家用車での移動を想定しております。お申し込みの際に、①ご自身の車に乗り合わせをさせていただける方、②乗り合わせの車を利用したい方、は事務局にお知らせください。
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北海道民族学会事務局(中田)
〒093-0042 網走市字潮見309-1 北海道立北方民族博物館 気付
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