■開催日時・会場

   日 時:2010年11月13日(土)13:00~17:00頃(予定)
   会 場:帯広畜産大学 講義棟34番教室(講義棟3階)
         〒080-8555 北海道帯広市稲田町西2線11   学内地図
   テーマ:「動植物の資源化と生業」
   

■研究会プログラム

【基調講演】
13:00~14:00:
「ヤクの飼養管理」 本江昭夫氏(帯広畜産大学・教授)
ヤクは、ウシ科ウシ属に分類される偶蹄目の家畜である。家畜ウシの近縁種であり、交雑して雑種を生産することができる。雑種のメスは正常な繁殖能力を持ち、ミルク生産に利用される。雑種のオスは生まれつき生殖能力を持っていない。しかし、極めておとなしい性格と体格の大きさから、荷物の運搬に重宝されている。
平均標高が4500mのチベット高原で生活する遊牧民にとって、ヤクは極めて重要な家畜となっている。畑の耕起などの労役、荷物の運搬、ミルク生産、屠殺して肉や皮の利用、燃料としての乾燥糞の利用など、多方面で利用されている。今回は、ヤクの飼養管理を中心として、ヤクの特性について紹介したい。

2010NovObihiro002s

【研究発表】
(1)14:15~14:45
土屋志野さん・本間淳美さん・石井智美さん(酪農学園大学)
「女子大学生の「食事を摂る」ことの現状・意識~食はどこへ向かっているかの一考察」
ヒトにとって「食べる」ということは、生きていくために不可欠である。現在摂っている食事の内容が今後の健康状態に大きな影響を与え、生活習慣病の発症にも関与すると言われている。そうした食は、個人の属性に関わるところが大きい。食べものに関する情報が溢れている今日、女子大学生の食事の現状を、喫食量、食べたものをすべて写メールに撮る、アンケート等の手法で調査し、学際的な見地から検討を行った。

(2)14:45~15:15
越智良太さん・石井智美さん(酪農学園大学)
「モンゴル遊牧民の食の中の家畜」
モンゴルではモンゴル5畜と呼ばれるヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、ラクダが飼われてきた。モンゴル高原で暮らす遊牧民にとって家畜は財産であり、貴重な食糧、資源である。モンゴル遊牧民の家庭に滞在し、家畜の種類別による生きた利用として毛の利用、搾乳した乳の連続的な加工と食利用と、屠殺後の内臓、肉、脂、皮の利用方法を調査した。家畜の恵を活用するために多くの技術が伝承されてきたが、21世紀に入り変化が起きている。

休憩 15:15~15:30

(3)15:30~16:00
中田篤さん(北海道立北方民族博物館)
「トナカイの家畜化・資源化と牧畜について」
ユーラシア大陸北部の各地では、トナカイを家畜化し、重要な資源として活用する牧畜がおこなわれてきた。しかし、自然環境や民族文化、政治・経済的要因によって、その形態には多様な変異がみられる。特に旧社会主義国では、農牧業の集団化とその後の自由化がトナカイ牧畜に多大な影響を与えてきた。本発表では、トナカイの資源化について概観するとともに、特に現代ロシアにおけるトナカイ牧畜について、事例を元に報告する。

(4)16:00~16:30
石井智美さん(酪農学園大学)
「動物資源を用いてきた内陸アジアの食における小麦粉と芋」
内陸アジアは地理的に東西交流の中央に位置し、長い間様々な物資、技術が往来してきた。そうした土地で移動を主体とした遊牧民の食は、家畜資源の利用のウエートが大きいとされてきた。近年、モンゴル遊牧民の食において、小麦粉、芋といった自ら生育に関わることが無い植物性の食材の利用が増えている。内陸アジアの遊牧民の植物性食材の利用について、カザフスタン、キルギスの遊牧民の小麦粉・芋の料理方法を含めて報告する。

休憩 16:30~16:45

16:45~17:15 総合討論 (司会進行:平田昌弘さん<帯広畜産大学>)

2010NovObihiro007s

   

■懇親会 17:30~19:30
会 場:帯広畜産大学 かしわプラザ・コンベンションルーム