■開催日時・会場

  日時: 2007年7月7日(土)14:00~17:30
  会場: 北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟(通称:W棟)W309教室
       (札幌市北区北10条西7丁目、地下鉄南北線北12条駅下車・徒歩10分)

■研究会プログラム 
  
◎発表1
 多賀昌江氏(札幌市立大学)
  「排泄時の消音行為と日本人女性-トイレ用擬似音装置にみる羞恥とジェンダー」
日本の公共トイレや大学、企業等の女子トイレには、排泄時の音を消音するための擬似音装置が設置されているところがある。このような、女性が排尿時の音を「恥」と認識し、トイレの水を前後2回流すことで消音する行為は、日本では江戸時代から行われてきた。そして、排泄時の音を羞恥と感じる「トイレ文化」は、現代の日本人女性における消音行為や消音装置として伝承されているだけでなく、男性にも伝播しているといわれる。この発表では、1979年に日本で開発されたトイレ用擬似音装置の開発経緯を紹介するとともに、女性のトイレでの消音行為の事例調査をもとに、日本人女性における排泄行為を規定する「トイレ文化」が、いかに継承され変容してきたかについて考察する。

◎発表2
 西村幹也氏
  「ツァータンの方位観と世界観-水平の彼方にある故郷-」
モンゴル北部タイガ地域に住むトナカイ飼育民、ツァータンの方位観、世界観に関する考察。実際の方角と彼らの認識の間にあるズレが存在している。そのズレが実生活にどのように立ち現れるかを報告し、その原因を探ってみたい。土地の呼び名や土地利用の実際の他、シャマンが儀礼時に精霊たちとの旅先に関する言説などから彼らの世界観の構成を試みたい。

◎発表3
 石井智美氏(酪農学園大学)
  「日本人の乳・乳利用意識」

乳は幼いいのちの糧であり、食べものとして広く世界中で用いられている。宗教、地域における食のタブーも、乳に関しては少ない。日本人と乳との関わりは明治以降で、飲用を主とし、世界の乳利用でも独自だ。昨年、わが国で牛乳パッシングが起きた。その論拠は乳科学から容認出来るものではないが、乳の「栄養がある」ことが
「太る」と連想され、消費も低迷している。日本人の乳、乳利用の意識について検討した。

◎発表4
 林義夫氏(医療法人社団 心友会)
  「未病予治について」
現代は「健康か病気か」で分けているが、古く2000年前の中国の医書に未病の文字 は見られ(黄帝内経)、「未病を治すを上医とし、巳病を治すを下医とする」とある。今日、未病の語は医学、医療の面から消滅し、未病を知るドクターは少ない。未病とは、健康-未病-病気である。今日はメタボリックシンドロームが宣伝され、生活習慣病の上流とされている。私は、上流以前に源流があると主張している。私は「未病予治」なる新日本語熟語を造語し、特許庁より昨年8月9日に認証されている。その詳細につき報告する。