2022年度 第2回研究会を下記の日時・会場・プログラムで行います。皆様のご参加をお待ちしております。←終了しました。

 今回は、新型コロナ対策のため、参加者数の定員を30名としております。参加希望の方は、10月14日(金)までに事務局にお申し込みください(定員になり次第、受付を終了します)。

■日時:2022年10月22日(土)13:15~17:10

■主催:北海道民族学会

■会場:北海学園大学 豊平キャンパス 7号館D40番教室(札幌市豊平区旭町4丁目1-40)

       https://www.hgu.jp/about/toyohira-campus.html

       ※アクセス:地下鉄東豊線「学園前」駅、3番出入口直結

【プログラム】

■開会あいさつ   北海道民族学会 平田昌弘 会長

■特別講演(13:20~14:20)

 講師:武田忠義さん(日本野鳥の会会員)

 演題:「アイヌの芸能に登場する鳥について」

■研究報告(14:30~17:10)

(1)元広修爾さん(北海道大学大学院文学院/博士後期課程)(14:30~15:00)

「社会人にとってのフィールドワーク経験の意味〜仕事と週末環境ボランティアの往還から〜」

 仕事で課題解決を試みながら困難に直面している社会人は多いと思われる。今回は、発表者が仕事(行政実務)と週末環境ボランティアを人類学的フィールドワークにより往還した経験を事例発表する。それは、問うことによって仕事の前提が相対化され、モノ・人の見方や自己と他者のかかわりに変化が生まれ、課題がほぐれていく過程であった。この経験から、課題解決を補う方法としての人類学的フィールドワークの可能性を論じる。

(2)馬長城さん(北海道大学大学院文学研究院/専門研究員)(15:00~15:30)

「類型論から見たアイヌ語の継続と完了形式の意味と共起問題」

 本研究は類型論の視点からアイヌ語の「継続+完了」という形式の意味機能を記述した。「kor an」と「a」が共起した場合は、できごとが発話時現在まで続き、そのあとも続く可能性がある。また、その意味が背景化し、単なる最近の活動を表わすことがある。そして「変化動詞+wa an a」は状態が発話時現在でも鮮明に存続していることを含意している。なお、中国語と日本語の「継続」と「完了」が動作の限界性で統語(形態)的な意味削除によって対立関係になり、英語とアイヌ語の「継続」と「完了」は動作限界性ではなく、結果の限界性による意味付加になっている。

(3)シン ウォンジさん(国立アイヌ民族博物館/エデュケーター)(15:30~16:00)

「17世紀蝦夷地に漂着した朝鮮人関連記録『漂舟録』と『李志恒漂海録』にみえる地名「石将浦」について」

 1696年蝦夷地に8人の朝鮮人が漂着した。そのうち李志恒が述べた漂流の事情や帰国までの経験は、『漂流録』と『李志恒漂海録』として残されている。両記録は、礼文島に漂着して松前に至るまでの地名を漢字やハングルで記録している等、17世紀の北海道に関する貴重な史料である。本発表では、両記録にみえる「石将浦」という地名について、当時の地理認識及び発音の類似性に基づいて、熊石である可能性について考察する。

(休憩)

(4)池原優斗さん(北海道大学大学院文学院/修士課程)(16:10~16:40)

「学際的研究活動における知識の創造過程:

北海道大学人間知×脳×AI研究教育センターにおけるフィールドワークから」

 学際的な研究の場からはどのようにして新しいアイデアが生まれてくるのだろうか。本発表は、北海道大学人間知×脳×AI研究教育センターにおけるフィールドワークを基に、他分野の知見に触れたときに自らが研究している問題について「ぴったり」と当てはまるかのように思える経験に焦点当てて学際的な知識の創造過程を考察する。さらに、本考察の文化人類学における理論的位置づけについて検討する。

(5)蟬塚咲衣さん(小樽市総合博物館/学芸員)(16:40~17:10)

「北海道の風流系民俗芸能―四箇散米行列の伝承を事例に―」

 「四箇散米行列」は、松前神楽の舞の1つである「四箇散米舞」が風流化した民俗芸能である。コロナ禍直前の2019年時点で、北海道内の日本海側8地域で行われていた。本発表では、8地域における伝承過程を明らかにし、各地の採物の比較から現在の実施状況について考察する。また、地域間での交流や約20年ぶりに実施された事例を紹介し、今後の「四箇散米行列」の伝承についての先行きも見据えたい。

※上記の時刻は目安です。

※発表時間は30分(発表20分、質疑10分)とし、進行状況に応じて適宜休憩を入れることとします。

以上

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〒093-0042 網走市字潮見309-1

北海道立北方民族博物館 気付

北海道民族学会事務局

中田 篤

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学会HP: http://hes.official.jp/index.php

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