■開催日時:2022年6月12日(日)16:00~17:00

■会 場:酪農学園大学C5 棟203講義室

■総会内容:2021年度決算報告、2022年度予算案、学会賞、その他


 

議事録


1.2021年度決算および事業報告、ならびに2021年度予算案

 監査を受けた2021年度決算および事業報告が事務局より報告された。また、2022年度予算案について事務局から報告があり、原案通りに了承された。

 

2.2021年度学会賞について

 2021年度の学会賞は、特別賞・奨励賞ともに該当者がなかった。

 候補者選定手続きにおいて、他薦・自薦両方が受け付けられていることが紹介され、今後、特に若手研究者からの応募を求める提案があった。

 

学会誌編集体制の変更と報告

 2021年度の途中から、学会誌の編集体制を変更した旨の報告があった。2022 年度も同様の体制で実施する旨の提案あり、可決された。

 

4.第2回研究会について

  本年度第2回研究会を、10月22日に開催することが提案された。

【2022年度 北海道民族学会第1回研究会・総会のご案内】→ 終了しました

 日頃より、北海道民族学会の活動にご支援、ご協力をいただき誠にありがとうございます。2022年度 第1回研究会・総会を下記の日時・会場・プログラムで行います。

 多くの会員の皆様のご参加をお待ちしております。

■開催日時   2022年6月12日(日) 13:30~17:30(予定)

■会場   酪農学園大学  C5号棟 203号(2階)

   〒069-8501 江別市文京台緑町582番地   TEL 011-386-1111(代表)   FAX 011-386-1214

キャンパスマップ https://www.rakuno.ac.jp/outline/facility.html

アクセスマップ   https://www.rakuno.ac.jp/access.html

※自家用車での来場可。JR大麻駅南口から203号教室まで徒歩15分。

■研究会(13:30-16:20)

開会あいさつ   北海道民族学会 平田昌弘会長

研究発表

(1)落合いずみさん(帯広畜産大学/准教授)(13:40-14:10)

「アイヌ語における上位起算法の再考―17世紀の記録「蝦夷国報告書」に照らして―」

 アイヌ語は20進法であり基底数は20の倍数であるが、基底数の間の数において前半は下位起算法、後半は上位起算法を用いると、落合(2021)は20世紀の資料に基づいて主張した。ところがアンジェリスにより松前において17世紀に記録されたアイヌ語数詞では上位起算法への切替えが見られず、専ら下位起算法である。元々下位起算法のみであったが、後に上位起算法も用いるようになったとも考えられそうだが、この変化の方向は通言語的にみても例がない。通常は上位起算法を失い下位起算法に変化する。そのためアンジェリスの記録した数詞は早々に上位起算法を失ったと考えられるが、その理由を和人との接触が濃密であった松前という土地の特殊性に求めることができるのではないか。日本語には上位起算法が無い。和人との交渉を円滑にするために、上位起算法を失った一種のリンガフランカ的なアイヌ語の数詞が松前で用いられていたのだろう。

(2)加賀田直子さん(北海道大学大学院文学院/博士後期課程)(14:10-14:40)

「移動する狩猟者と動物の身体 ー北海道斜里町の狩猟実践を事例に」

 狩猟において動物を探すことは目的地のない移動である。北海道斜里町に在住の狩猟者たちは徒歩、スキー、自動車など様々な形式で移動し、時に待つ。本発表では、狩猟における移動の身体経験としての側面に着目し、狩猟者の身体と動物の身体がどのような関係を持ちうるのか、アフェクト/情動論や人類学者ティム・インゴルドのアイデアから考察する。

(3)スクーチナ イリーナさん(北海道大学大学院文学院/博士後期課程)(14:40-15:10)

「翻訳者の(不)可視性―デジタル環境におけるライトノベルのアマチュア翻訳を事例として―」

 近年では、注文を頼りにするプロフェショナルな翻訳者と自発的に翻訳を行うアマチュアな翻訳者の間の差異が曖昧になりつつあるが、後者は主にオンライン・コミュニティーと交流しながら翻訳を作成するので、プロフェショナルな者より可視的であると考えられる。本研究は特にロシアにおける、オンラインで行われるライトノベルという日本の文芸ジャンルのアマチュアな翻訳を事例にするので、発表では翻訳者の(不)可視性とライトノベルの概念を通してロシアでの翻訳の現状を見ていく。

〈休憩〉(15:10~15:20)

(4)呉 納馨(ゴ ノウケイ)さん(北海道大学大学院文学院/博士後期課程)(15:20-15:50)

「日本のドラァグ・クイーンにおける身体とパフォーマンス ─札幌市の事例を中心に─」

 ドラァグ・クイーン文化は日本に流入してから、日本社会の文脈と結びついて変容が生まれたように見える。そこで、日本のドラァグ・クイーンの現状と関連する論考を軽く触れた上で、身体論、環世界、憑依観、アフェクト論の視座でドラァグ・クイーンたちの身体とその周囲の世界との関係、パフォーマンス現場でのあらゆる関係性及びかれらの身体における「憑依」という「生成変化」の実態についての空白を埋める可能性を検討する。

(5)冼 麗珊(セン レイサン)さん(北海道大学大学院文学院/博士後期課程)(15:50-16:20)

「エスニックツーリズムにおける地元民と外来者との付き合い」

 エスニックツーリズムによる伝統文化の破壊がよく議論されること対して、「伝統文化」の存在に疑問を抱いて、文化の動態的性質を強調する研究が増えている。ところで、観光活動の展開や地元民と外来者との付き合いの深化に伴い、文化の維持は研究者のスローガンに留まっておらず、実質の利益につながり、地元民の自文化を見直すきっかけとなる。一方、外来者に短期滞在の観光客以外に、商売などの理由で長期間の滞在をする長期滞在余所者たちもますます見逃していけない存在となっている。その長期滞在余所者は地元民と雇用関係、仲間関係、競争関係など複雑な関係にありながら、観光客から見て、長期滞在余所者は地域に詳しい「半地元者」であり、どちらにも「他者」とされる。

※上記の時刻は目安です。

※発表時間は30分(発表20分、質疑10分)とし、進行状況に応じて適宜休憩を入れることとします。

〈休憩〉(16:20~16:30)

■総会・学会賞表彰式(16:30~17:30)

・総会:2021年度決算報告、2022年度予算案 ほか

・学会賞受賞者発表・表彰式

以上

例年通り学会賞の募集の時期となりました。
推薦者(自薦も可)は受賞候補者届出書(学会ホームページ((http://hes.official.jp/index.php/info000/info06)からダウンロードしてください)に記入の上、2022年5月15日(日)までに事務局(連絡先は末尾に記載)へメールまたは郵送でお知らせ下さい。
すでに『北海道民族学』第18号が皆さんのお手元に届いていることと思います。
これまでの学会員の活動や第18号に掲載された論文なども参照いただき、ぜひ推薦(自推を含む)下さい。

応募者につきましては、運営委員会内部の審査委員会で厳正な審査を行い、結果は、HPおよびメール等で通知します。
また、2022年度春の研究会で授賞式をおこなう予定です。
学会賞の詳細につきましては、『北海道民族学』、または学会HPに掲載されている学会賞規定をご覧ください。

--
北海道民族学会事務局(中田)
〒093-0042 網走市字潮見309-1
北海道立北方民族博物館 気付
E-mail: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
学会HP http://hes.official.jp/index.php

【2022年度 北海道民族学会第1回研究会・総会のご案内】→ 終了しました

 日頃より、北海道民族学会の活動にご支援、ご協力をいただき誠にありがとうございます。2022年度 第1回研究会・総会を下記の日時・会場・プログラムで行います。

 多くの会員の皆様のご参加をお待ちしております。

■開催日時   2022年6月12日(日) 13:30~17:30(予定)

■会場   酪農学園大学  C5号棟 203号(2階)

   〒069-8501 江別市文京台緑町582番地   TEL 011-386-1111(代表)   FAX 011-386-1214

キャンパスマップ https://www.rakuno.ac.jp/outline/facility.html

アクセスマップ   https://www.rakuno.ac.jp/access.html

※自家用車での来場可。JR大麻駅南口から203号教室まで徒歩15分。

■研究会(13:30-16:20)

開会あいさつ   北海道民族学会 平田昌弘会長

研究発表

(1)落合いずみさん(帯広畜産大学/准教授)(13:40-14:10)

「アイヌ語における上位起算法の再考―17世紀の記録「蝦夷国報告書」に照らして―」

 アイヌ語は20進法であり基底数は20の倍数であるが、基底数の間の数において前半は下位起算法、後半は上位起算法を用いると、落合(2021)は20世紀の資料に基づいて主張した。ところがアンジェリスにより松前において17世紀に記録されたアイヌ語数詞では上位起算法への切替えが見られず、専ら下位起算法である。元々下位起算法のみであったが、後に上位起算法も用いるようになったとも考えられそうだが、この変化の方向は通言語的にみても例がない。通常は上位起算法を失い下位起算法に変化する。そのためアンジェリスの記録した数詞は早々に上位起算法を失ったと考えられるが、その理由を和人との接触が濃密であった松前という土地の特殊性に求めることができるのではないか。日本語には上位起算法が無い。和人との交渉を円滑にするために、上位起算法を失った一種のリンガフランカ的なアイヌ語の数詞が松前で用いられていたのだろう。

(2)加賀田直子さん(北海道大学大学院文学院/博士後期課程)(14:10-14:40)

「移動する狩猟者と動物の身体 ー北海道斜里町の狩猟実践を事例に」

 狩猟において動物を探すことは目的地のない移動である。北海道斜里町に在住の狩猟者たちは徒歩、スキー、自動車など様々な形式で移動し、時に待つ。本発表では、狩猟における移動の身体経験としての側面に着目し、狩猟者の身体と動物の身体がどのような関係を持ちうるのか、アフェクト/情動論や人類学者ティム・インゴルドのアイデアから考察する。

(3)スクーチナ イリーナさん(北海道大学大学院文学院/博士後期課程)(14:40-15:10)

「翻訳者の(不)可視性―デジタル環境におけるライトノベルのアマチュア翻訳を事例として―」

 近年では、注文を頼りにするプロフェショナルな翻訳者と自発的に翻訳を行うアマチュアな翻訳者の間の差異が曖昧になりつつあるが、後者は主にオンライン・コミュニティーと交流しながら翻訳を作成するので、プロフェショナルな者より可視的であると考えられる。本研究は特にロシアにおける、オンラインで行われるライトノベルという日本の文芸ジャンルのアマチュアな翻訳を事例にするので、発表では翻訳者の(不)可視性とライトノベルの概念を通してロシアでの翻訳の現状を見ていく。

〈休憩〉(15:10~15:20)

(4)呉 納馨(ゴ ノウケイ)さん(北海道大学大学院文学院/博士後期課程)(15:20-15:50)

「日本のドラァグ・クイーンにおける身体とパフォーマンス ─札幌市の事例を中心に─」

 ドラァグ・クイーン文化は日本に流入してから、日本社会の文脈と結びついて変容が生まれたように見える。そこで、日本のドラァグ・クイーンの現状と関連する論考を軽く触れた上で、身体論、環世界、憑依観、アフェクト論の視座でドラァグ・クイーンたちの身体とその周囲の世界との関係、パフォーマンス現場でのあらゆる関係性及びかれらの身体における「憑依」という「生成変化」の実態についての空白を埋める可能性を検討する。

(5)冼 麗珊(セン レイサン)さん(北海道大学大学院文学院/博士後期課程)(15:50-16:20)

「エスニックツーリズムにおける地元民と外来者との付き合い」

 エスニックツーリズムによる伝統文化の破壊がよく議論されること対して、「伝統文化」の存在に疑問を抱いて、文化の動態的性質を強調する研究が増えている。ところで、観光活動の展開や地元民と外来者との付き合いの深化に伴い、文化の維持は研究者のスローガンに留まっておらず、実質の利益につながり、地元民の自文化を見直すきっかけとなる。一方、外来者に短期滞在の観光客以外に、商売などの理由で長期間の滞在をする長期滞在余所者たちもますます見逃していけない存在となっている。その長期滞在余所者は地元民と雇用関係、仲間関係、競争関係など複雑な関係にありながら、観光客から見て、長期滞在余所者は地域に詳しい「半地元者」であり、どちらにも「他者」とされる。

※上記の時刻は目安です。

※発表時間は30分(発表20分、質疑10分)とし、進行状況に応じて適宜休憩を入れることとします。

〈休憩〉(16:20~16:30)

■総会・学会賞表彰式(16:30~17:30)

・総会:2021年度決算報告、2022年度予算案 ほか

・学会賞受賞者発表・表彰式

以上

 日頃より、北海道民族学会の活動にご支援、ご協力をいただき誠にありがとうございます。

 さて、2022年度第1回研究会・総会を下記の日時で行うこととなりました。つきましては、当日の研究発表を募集いたします。会員の皆様方の積極的なご参加・ご発表をお待ちしております。

※新型コロナウイルスの感染拡大により、様々な催しが影響を受けております。現時点で当学会の研究会・総会は対面方式で実施したいと考えておりますが、状況次第ではオンライン方式に変更になる可能性もあります。実施方法が決定しましたら速やかにお知らせしますので、ご了承ください。

■開催日時: 2022年6月12日(日) 13:30~17:00(予定)

■会場:酪農学園大学   〒069-8501 江別市文京台緑町582番地

                      TEL 011-386-1111(代表)   FAX 011-386-1214

■研究発表の募集

 研究発表ご希望の方は、発表題目と要旨(200字程度)を添えて、学会事務局(下記)までE-mail(このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。)、郵便のいずれかでご連絡願います。

 郵便の場合は必ず表面に「北海道民族学会事務局」(中田篤宛)を明記してください。

  〈締切:2022年4月12日(火)17:00〉

・発表時間は質疑応答を含め、一人30分程度が目安です(発表者数により増減することがあります)。

・発表希望者が多数の場合は事務局で検討し、人数を調整することがあります。その際、初めて発表される方、前回・前々回発表されていない方を優先することがありますので、ご了承願います。

*発表を希望する方は、2022年度の学会費(3000円)を納入していることが条件となります。

 会費の納入につきまして、詳細は学会ホームページ(http://hes.official.jp/index.php)より「会費」にお進みください。

 発表者決定後、研究発表の順番・時間を正式に決定し、後日改めてお知らせいたします。

 

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北海道民族学会事務局(中田)

〒093-0042 網走市字潮見309-1

北海道立北方民族博物館 気付

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学会HP http://hes.official.jp/index.php