■開催日時:2016年7月3日(日) 13:30~17:00

■会 場:北海学園大学 豊平キャンパス  7号館 D31教室
       (札幌市豊平区旭町4丁目1-40、地 下鉄東豊線「学園前」駅にて下車 3番出口直結)

■ 研究会(13:30~15:10)

(1)若林 和夫 (北海道民族学会会員)
「島村孝三郎はなぜ服部四郎へアイヌの研究を勧めたか―戦前戦後の体験者としての考古学者とアイヌ―」
 『アイヌ語方言辞典』には、その調査や編集にかかる経緯や動機、統計分析の結果など、研究史としても興味深い言及に事欠かない。今回は そのうち服部四郎へ動機づけを行った島村孝三郎(?-1966)という人物について彼の経歴と時代背景を見ながら、戦前の学問状況と戦後 の「列島回帰」のなかでのアイヌ研究について今一度考えてみる。

(2)梅木 佳代 (北海道大学大学院文学研究科)
「アイヌ民族とオオカミの関係性―『コタン探訪帳』の記述の整理を中心に―」
 絶滅したエゾオオカミ(Canis lupus hattai)とアイヌ民族との関係性について、これまでに明らかにされている知見は更科源蔵氏による報告を典拠とするものが多い。しかし、その報告・記述の内容には、個 別の地域で確認された事例を一般化して著述する傾向がみられる。
 本発表では、弟子屈町図書館に残る『コタン探訪帳』からオオカミに関する情報を抽出して個別の事例としてとらえなおし、アイヌとオオカ ミの関係性について考察する。

〈休憩〉(14:30~14:40)

(3)高橋 靖以 (北海道大学アイヌ・先住民研究センター)
「アイヌ語における空間指示枠について」
 空間指示の表現は言語人類学における基本的な研究課題の一つである。通言語的観点から水平方向の空間指示枠(frame of reference)には、固有指示枠(intrinsic frame of reference)、絶対指示枠(absolute frame of reference)、相対指示枠(relative frame of reference)の区別があることが知られている。本発表ではアイヌ語における空間指示枠のタイプを概観し、異なる空間指示枠の併用や通時的変化について考察する。

特別企画 講演会「国立アイヌ民族博物館の展示計画」(16:00~17:00)
      佐々木 史郎 氏(国立アイヌ民族博物館設立準備室)

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